お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

お江戸の試験

こんにちは。


学生みなさーん!
試験勉強頑張ってますかー?

このシーズン、
大学生は卒業や進級のための試験。
高校生は大学受験。

毎日不安と焦りの中で、
必死に机に向かっているのではないでしょうか?

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今回は、江戸の試験について取り上げます。

江戸時代、幕府直轄の教育施設として、
昌平坂学問所というのがありました。

主に武家の子供達が、
将来立派な武士になれるように
勉強する場所でした。

そんな子供達の絶好のチャンスが
学問所で行われる『素読吟味』と『学問吟味』でした。

素読吟味』は、
10代の子供達を対象に行われました。

内容は口頭試験で、
論語孟子など『四書五経』を
暗唱しました。

合格すると、褒美を授かると共に
学問所の寄宿稽古の入学試験を
免除されました。

向上心の高い子供と、
子供を出世させたいと願う親にとって
絶好の機会でした。

そして、『学問吟味』。

こちらは、素読吟味よりも上級です。

内容は、四書五経の中から一節出題され、
内容の解釈、語句の説明などを
求められるものです。

合格すると、出世に繋がり
特に下級武士達にとってのチャンスでした。

合格者の中には、
狂歌師としても有名な大田南畝(おおたなんぽ)がいます。
彼は、御徒から支配勘定にまで出世。

他にも『遠山の金さん』の父、
遠山景晋(かげみち)も合格して
勘定奉行まで出世しています。

なかなか出世の機会も少ない江戸時代、
もしかしたら昔の人は今よりもっと必死に
チャンスを掴もうと努力していたのかもしれないですね。

チャンスは本気で掴みに行きましょう!