お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

仇討ちの世界観

こんにちは。


お江戸の一大スキャンダルといえば、
『仇討ち』です。

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仮名手本忠臣蔵 夜討人数ノ内 堀辺弥津兵衛 堀辺弥次兵衛肖像」歌川国貞画

赤穂浪士忠臣蔵を始めとして、
伊賀越えの仇討ちなど江戸時代には、
仇を討った者達を称賛する文化がありました。

実際にそれらの事件は
歌舞伎や人形浄瑠璃などになり
多くの江戸っ子達を魅了してきました。

しかし、今の価値観でその事件をみると
逆恨みによるただの殺人だとか、
突然襲いかかった集団テロ事件です。

ですので、仇討ちの物語を読んだとしても
共感ができない人も少なくないのではないかと思います。

共感するためにはどうしたらいいか?

それは、今の価値観を抜きにして
当時の人たちの世界観に入り込む事です。

幕府や藩の上層部は
その組織の面目を考え、

その下で働く武士達は
武士の面子を、

その妻や子供達は
武士の妻であること子供であることの
面子を重んじます。

それは善悪を越えたモノです。

今の価値観ではなかなか想像し難いですが、
その面目や面子を意地でも守り抜こう
としている人達の姿や生き様に
フォーカスを当ててみてください。

すると、今までとは違った仇討ち物語の
楽しみ方ができるのではないでしょうか?