お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

次期将軍の元服

こんにちは。


今回は次期将軍候補の元服について書きます。

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元服とは今でいう男性の成人式のようなもので、
当時は一般に元服は数え17歳前後で
今よりも少し早くおとな扱いをされました。

しかし、次期将軍候補の場合は
さらに少し早めに行われていたようです。

なぜならできるだけ早く将軍家男子として
認知する必要があったからのようです。

その儀式はとても厳かで、
童形という子供の髪型を切り、
髪を結って烏帽子をかぶり、
官位を授けられます。

さらに周りからはこれ機に『若君様』から
『大納言様』と称されるようになります。

これで一人前の次期将軍候補です。

ちなみに儀式の際、
烏帽子を被せる役は彦根藩井伊家当主
髪を結い上げて髻をつくる役は会津藩松平家当主
が勤めるのが習わしでした。

彦根藩井伊家…。


井伊は江戸時代最も多く大老職に就いた家で
安政の大獄もあったように、
幕府を脅かす存在を封じ
将軍家に忠義を尽くし、

松平も幕末で京都所司代に就き
動乱の幕末の中でも会津戦争で敗れるまで
将軍家に忠義を尽くしました。

この二家は江戸時代の終わりまで
将軍家に忠義を尽くしました。

これは将軍家にとって
重要なイベントにおいて
重要な役割を任せられた恩が
あったからではないでしょうか?

やっぱりいつの世も
人間関係が大事なのだなと
江戸時代に想いを馳せてみました。