お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

旗本のキャリアパス

こんにちは。


今回は将軍御目見以上である旗本の
就職からのキャリアパスを書きます。

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全ては『御番入』といわれる
将軍直属の常備軍に編入されるところから
始まります。

常備軍は『五番方』といって
大番、書院番小姓番、新番、小十人組があり、
旗本の多くはこれらのいずれかに配属されます。

大番は江戸城西の丸と二の丸の警備と
江戸市中の巡回。

書院番江戸城玄関前の警備と
将軍外出時の身辺警護。

小姓番江戸城殿中の警備と
将軍外出時の身辺警護。

新番は将軍外出時の先駆けを
小十人組は将軍外出時の歩兵を勤めました。

このうち書院番小姓番は『両番』といわれ
最もその後の出世が見込める役でした。

基本的に旗本は親から代々引き継ぐ
家禄に応じて役職も決まっていたが、
能力のある者は家禄以上の役職を
与えられました。

その時、家禄の不足分を補ったのが
『足高』でした。

これは在職期間中に限り
役高に対する家禄の不足分を支給する制度で
これによって幕府の柔軟な人材登用と
旗本の出世を可能にしました。

時代劇で有名な大岡越前こと大岡忠相
出世した旗本のいい例です。

25歳で書院番に御番入し、28歳で徒頭、
33歳で目付、41歳で幕閣の要職である町奉行
60歳で大名役である寺社奉行
にまで登り詰めました。

江戸時代のキャリアパス
ロマンがあって、捨てたもんじゃないですね。

僕たちも負けずに仕事頑張りましょう!