お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

幕臣の再就職事情

こんにちは。


あなたは無職になったことありますか?
あるとしたら、気楽になりましたか?
不安になりましたか?

人それぞれ色々な事情があると思います。

実は江戸城幕臣達も事情により
無役にされることがありました。

今回は江戸時代の再就職事情について書きます。

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無役になる場合は以下の通りで
病弱や老齢で仕事に支障が出た場合、
勤役中に処罰された場合や
父が若くに亡くなり幼くして家督を継いだ場合

無役になった者の中で
家禄3000石以上の旗本は『寄合』に
家禄3000石以下の旗本と御家人
『小普請組』に編入されました。

小普請組は勤役する代わりに
幕府の土木仕事がある場合、
人手を出す(後にお金を上納するようになる)義務がありました。

『小普請支配』を筆頭に6〜12組に編成され、それぞれの組の組頭が取り締まっていました。

その小普請組の中に
再就職斡旋システムがありました。

毎月10日と月末(逢対日といいます)に組頭が
小普請組の面々から希望・特技などを
聞き出し書類を製作し、受け取った支配が
欠員のある各役へ推薦を出してくれました。

かなり親切な仕組みですね。

下級の御家人は自分の家禄だけでは
生活が苦しく役高(役職手当)がなければ
やっていけないので必死です。

しかし、世の中上手くはいきません…。

なんと!!
小普請組の人達の希望を聞いてくれるはずの
組頭は相当威張っていたようで、
小普請組から再就職するのは
難しかったようです。

今も昔も世知辛い世の中ですね〜。