江戸の高級料亭『八百善』
こんにちは。
お江戸俥夫の大輔です。
今回は江戸の高級料亭『八百善(やおぜん)』
の主人である『栗山善四郎(ぜんしろう)』に
フォーカスを当てます。
善四郎はもちろん料理人としての評判は
江戸ナンバーワンと言われていましたが、
八百善が江戸の超有名高級料亭になれた理由は
他にあります。
善四郎は、趣味として『俳諧』が好きで
『三味線』も弾きました。
その趣味を利用してか
画家、儒学者、版元など
文人達との繋がりも多く持っていました。
当時江戸の流行は
こういった文人達によって広められており
善四郎は情報の発信源である彼らを
抑えることにより八百善の名を高めました。
しかし、それだけではありません。
善四郎は版元和泉屋市兵衛と組み
料理本『江戸流行 料理通』を刊行したり、
高級商品券である『料理切手』の発行を
するなど、江戸の話題をさらいました。
そして、〆は顧客への手土産として
八百善店舗の立体模型である『起こし絵』を
プレゼントとするおもてなし。
善四郎は自身の『腕前』、
文人ネットワークによる『メディア力』、
顧客への手土産も欠かさない『おもてなし力』
の三拍子を揃えたのです。
こうして八百善は
高級有名料亭になりました。