お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

佃島の漁師達

こんにちは。


お江戸夫の大輔です。

隅田川河口付近に『佃島』という
地名があります。

ここは江戸幕府開府から9年後に
徳川家康摂津国佃村(大阪の佃町)から
名主森孫右衛門が漁師32名を連れてきて
佃島に住まわせたのが始まりです。

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佃村の漁師と家康との関わりは
開府前、家康が摂津国の多田権現と住吉明神
詣でた際『渡船御用』を務めたことに
始まります。

その時の恩に報いるため
佃村の漁師達に幕府の庇護の下
江戸湾で漁を行わせたそうです。

これを機に江戸の漁業は発展し
この魚の供給を担った日本橋河岸は
江戸随一の盛り場になりました。

またこの時、佃島の漁師達は売れ残った
小魚は保存も兼ねて塩で煮たそうです。

後に、銚子や野田など関東の醤油が発達し
今度はそれを塩ではなく醤油で煮てみると
塩よりずっと美味しく仕上がりました。

そう、これが江戸の味『佃煮』の始まりです。

佃煮は大阪と関東の共作で
出来たものなんですね。

今度佃煮を食べる時は
大阪の漁師さんにも感謝しながら
味わいたいと思います。