お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

幻の作品

こんにちは。


お江戸夫の大輔です。

今回から数回に渡り赤穂事件を
取り上げたいと思います。

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赤穂事件は浅野内匠頭吉良上野介
対する刃傷事件を皮切りに始まった
出来事です。

事件後、浅野は即日切腹だったのに対して、
喧嘩両成敗の時代に吉良は何のお咎め
無かったことを不服として浅野の家臣達
が吉良に仇討ちを遂げるという話です。

この話は、江戸庶民の間で人気を呼び
これを題材にした沢山の作品が
歌舞伎や浄瑠璃の中で生まれました。

その中でも有名なのが
竹本出雲らの脚本の『仮名手本忠臣蔵』です。

歌舞伎でも浄瑠璃でも大ヒットし
繰り返し上演されました。

他にも近松門左衛門作の『碁盤太平記』や
吾妻三八作の『鬼鹿毛無佐志鐙
(おにかげむさしあぶみ)』があります。

そして、幻の作品もありました。

それは
『曙曾我夜討(あけぼのそがようち)』です。

上演されたのは、赤穂四十六士切腹から
わずか12日後!

鎌倉時代曾我兄弟の仇討ちに仮託したもの
でしたが、幕府を刺激することになり
たった3日間で上演中止になりました。

まさに幻の作品です。

タイミングと程度を間違えると
世間から消され幻になってしまうのは
いつの世も同じみたいですね。