お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

吉田松陰が説く。あなたが今、学ぶ理由とは?

今回は

「あなたが今、学ぶ理由」

について書きます。

 

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 この記事は

・何か現在の状況に絶望をしていて、前向きになるのが難しい人

・何か仕事やプライベートでミスをしてしまい、自己卑下に陥っている人

・家族や友人、同僚、部下に上記のような人がいる人

に向けて書いています。

 

この記事を読むことで

・どんな逆境においても学び続けることの必要性を感じ

・今日から再び前向きに人生を推し進めていく

きっかけを得ることができます。

 

 

引用させていただく言葉は

幕末の志士・吉田松陰著の「講孟余話(こうもうよわ)」の一節です。

 

講孟余話とは?

嘉永7(西暦1854)年10月24日に吉田松陰アメリカへの密航を謀り、

その罪で山口県の萩にある野山獄に投獄されました。

 

それ以降ものすごい勢いで、

読書と執筆を続けた中の代表著書が講孟余話です。

 

これは古代中国の「孟子」という古典を講義した際、

松陰自身の解説や意見を盛り込んだ余話という意味です。

 

その最初の部分で、

投獄されている中でも学び続ける理由を綴っています。

 

当時、一度投獄されると釈放される見込みは

ほぼゼロです。

 

さらに、投獄される理由も様々で

家族や親戚から厄介者扱いをされ、

やる場所に困り投獄されるケースもあったほどです。

 

そんな現代以上に絶望的な獄の中で綴った一節です。

 

講孟余話 「尽心」上・首章

今日の読書こそ真の学問と云ふものなり。

昔、漢の夏侯勝(かこうしょう)・黄覇(こうは)、両人獄に下る。

夏侯勝は儒者なれば、黄覇、夏侯勝に学問を授かり度き由を云ふ。

勝云はく、「遠からず罪死に遇ふべき身分の、学問は入らぬものなり」と。

覇云はく、「朝(あした)に道を聞かば、夕に死すとも可なり」と云ふこともあれば、

是非とも授かり度し、と申せし故、勝も其の辞(ことば)に感じて遂に授けしに、

三年の間、獄中にて議論怠らざりしが、

後、大赦(たいしゃ)に因りて両人共に獄を出て、再び官に登りし、と云うことあり。

両人獄に在る時、固(もと)より他日の大赦は夢にも知らぬことなり。

然れども道を楽しむの厚く、学を好むの至り、斯(かく)の如し。

今、吾が輩両人、亦此の意を師とすべし

 

解説

投獄され絶望的な状況における読書こそが、

”本当に学問をする”ということです。

 

その理由を漢の獄人二人のやり取りを元に説かれています。

 

二人は儒者の夏侯勝(かこうしょう)と黄覇(こうは)という男なのですが

彼らは近々、死罪を受けるが決まっています。

 

ある日、黄覇は夏侯勝が儒者であることを知り

学問の教えを乞いに行きました。

 

しかし、死をただ待つ身である夏侯勝はこう言いました。

 

「遠からず死罪を受ける身なので、

我々はこれ以上、学ぶ必要はありません。無駄です。。。」

 

それに対して、黄覇はこう言いました。

 

論語には

『もしも、ある日の朝、正しい生き方を知ることができたら、

その日の夕方に死んでも悔いはない』

とあります。ですので、私は死罪を受ける身ですが、

是非とも今、学問を教えていただきたいです。」

 

それ以来、二人は獄内で講義や議論を繰り返し

学問を怠りませんでした。

 

三年後のある日、

突然皇帝から人々の罪を軽くするという命令が出ました。

 

こうして二人は思いがけず釈放をされ、

再び社会で活躍するようになりました。

 

松陰はこの話を元に

投獄されている自分達の身に置き換え

周囲の獄人達にも語りかけていったのでした。

 

 

 

もし今のあなたの学ぶ理由が、

名誉や物質的に豊かになるためであれば

それはかなり外部に依存しています。

 

人生には、必ず良い時も悪い時もあります。

それは、前向きに努力をされている人にも同様です。

 

ですので、外部に依存している人は

逆境の時は、必ず落ち込みます。

自分は価値がない人間だと自己卑下をします。

 

それはやめましょう。

いくら努力したって結果が出ないときは出ません。

 

結果なんて、

自分自身でコントロールできるものではありません。

 

いくら気を遣っていても

クレームをもらう時はもらうんです。

 

誰よりも努力していたって

トップになれない時はなれないんです。

 

いくら人に愛情を注いでも

裏切られる時は裏切られるんです。

 

いくら健康に気を遣っていても

死ぬ時は死ぬんです。

 

もう外部に依存するのは辞めましょう。

 

それよりも大切なことは

「正しい生き方」を追求し学び続けることです。

 

人から理不尽に怒られても

相手に対して丁寧な態度を取り続けられるかどうか?

 

ライバルに先を行かれても

ライバルの失敗を願わず自分自身の最善を尽くせるかどうか?

 

人から嫌われても

相手に対して愛情を注ぎ続けられるかどうか?

 

死ぬとわかっていても

毅然とした態度で自分の人生を大切にできるかどうか?

 

それを学び続けることが

大切と吉田松陰は教えてくれています。

 

今日も学び続けましょう。

 

 

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