お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

江戸の椋鳥達

こんにちは。

椋鳥(むくどり)と 

人に呼ばるる 
寒さかな

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突然ですが、小林一茶の俳句を
詠んでみました。

これは信濃国の農家出身の一茶が、
冬場に出稼ぎへ江戸へ向かう際、
周りから椋鳥と嘲られ身も心も寒い思いを
した様子を描いたものです。

江戸の人々は、
農閑期の11月から2月まで
出稼ぎに来る人達のことを
椋鳥と呼んでいたようです。

とても失礼な話ですが、
それでも椋鳥達は労働環境も悪い中、
米搗きや水主、駕籠かき、車力などほとんどが
肉体労働をして家庭を支えていました。

天保期の調査では
そんな椋鳥達は約3万4千人ほどいたそうです。

かなりの数です。

そう考えると、江戸の人々は
食事は地方の農家(椋鳥)達が
作る米などに支えられ、
冬場は大量に江戸に入ってくる椋鳥達の
労働力に支えられていたんですね。

椋鳥は一般的に
人を嘲る時に使う言葉のようですが、
なんだかリスペクトしなくては
いけない気がしてきました。