お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

大店での里帰り事情

こんにちは。


以前、大奥の里帰り事情を書きました。

今回は大店の奉公人の里帰り事情を書きます。

当時、白木屋越後屋など江戸にある大店は
ほとんどが上方から進出してきた店で、
そこに勤める奉公人達の多くも、
上方出身でした。

そのため、里帰り休暇の制度も
しっかり整っていました。

奉公人の最初の里帰りは
入店9年目の『初登り』というもので、
50日間の休みが許されます。

次は16年目の『中登り』
この時は60日間。

そして、22年目には『三度登り』
この時も60日間。

大奥と比べるとだいぶ多いです。
今の会社でもここまでの連休は
取れないんじゃないかと思います。

でもまぁ飛行機や新幹線のない時代ですから
これくらいの休みは当然といったら
当然なのかもしれません。

ちなみに江戸又は周辺出身の奉公人にも
里帰りの機会がありました。

毎年正月と盆の16日前後
つまり旧暦1月16日と7月16日辺りに
休みを取れました。

当時定休日というものがなかったので
その日は、とても重宝されていたようです。

今ほど朝から晩まで
働く事はなかったでしょうが
休みは少なくいつの時代も
日本人はハードワーカーなのでした…。

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