お江戸の学校

江戸検1級を取って学んだ「江戸の歩き方」「偉人達の生き様」を紹介します。歴史好きはもちろん、歴史が苦手な人にも楽しくわかりやすくお伝えします。

下馬!

こんにちは。


今回は『下馬』について書きます。

下馬とは城や寺など
神聖な領域や格式高い場所に入る時、
乗ってきた馬から降り
徒歩で中へ入ることを言います。

特に江戸城に関しては
明確に制限されていました。

江戸城本丸に入るためには大きく3つの門があり、
それぞれの門でそれぞれのルールがありました。

まずは大手門。
ここは『大下馬』とも呼び、
御三家(水戸、紀州尾張)の藩主以外は、
馬又は駕籠から降りなければなりませんでした。

またお供に関しても10万石以上の者も
多くて13人と制限されました。

次に見えてくるのが大手三之門。
ここでは御三家すらも乗り物から
降りなければならず、
お供も大名で4,5人に制限されました。

そして、次が中之門。
ここでは、大名本人、諸役人のみしか
本丸御殿には入ることができませんでした。

f:id:dadadadadicek:20180317113539j:plain


門をくぐる度に仲間が減っていくのです。

ちなみに一斉登城の際は、
江戸城の各門前、つまり下馬先では
置き去りにされ主人の帰りを待つ家臣達で
賑わっていたそうです。

そこで家臣達が議論するのは
江戸城内でどんな話がされて
主人は出世できるのかどうか。

この下馬先で家臣達が
あーだこーだ批評していたことから
今でも使われる『下馬評』という言葉が
生まれたそうです。

周囲から見た自分自身の下馬評は
いいものであってほしいですね。