江戸の怖い迷信
こんにちは。
お江戸俥夫の大輔です。
『丙午(ひのえうま)の年』
って知ってますか?
この年は60年に一度訪れる年で
近年でいうと西暦1906年、1966年、
次は2026年に当たります。
今でこそ迷信ですが、
江戸時代、この年に生まれた人は
偏見の目を浴びせられ一生苦しみを背負って
生きることになりました。
一説によると丙午の年に生まれた男子は
成人してから運勢が悪く、
女子は嫁いでから夫を害する
と言われていました。
ですので、7歳まで神の子とされていた
江戸時代『子を神に返す』という考えから
特に丙午に生まれた子は盛んに
間引き(子殺し)をされました。
例え間引きされず大人になったとしても
一生自分の生まれ年を隠し、
偏見の目に晒され続けたそうです。
悲劇です…。
しかし、江戸後期になると
この迷信を一掃しようと考えも出始め
『反丙午』を唱える人達も増えました。
その1人が『渓斎英泉(けいさいえいせん)』
絵師・戯作者として活躍した人物です。
英泉は丙午をめでたい年と捉え
生まれだという指摘をしています。
また女子用往来(教科書)においても
『女中庸瑪瑙箱(おんなちゅうようめのうばこ)』
を書いた植村玉枝子(ぎょくしし)も
迷信に惑わされる愚かさを指摘しました。
彼らの努力によって
少しは改善されたようですが
当時は完全になくなることは
ありませんでした。
いつの時代も人間は愚かです。
今も形は違えど色んな偏見があります。
どんなことでもしっかり
自分の目で見て判断したいものです。